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超属人的経営の是非

  • 澤拓磨 TS&Co.代表取締役 兼 最高経営責任者(CEO)
  • 7月15日
  • 読了時間: 4分



概要

  • 現実の世界ではどちらの評価も見受けられるが、過度な属人性は危うい、当該企業は安定性に欠けた好ましくない企業だとの評価が過半数を占めるのではないか。そもそも、現在進行形でCEO職を全うしている人物はマイノリティであるため、当然とも言える

  • 著者は、ある企業が特定のCEO以外には経営できない非常に属人的に経営されている場合、当該経営・企業を非常に高く評価する。つまり是。なぜなら、経営の本質を突き詰めると、経営はCEO・リーダー1人でしか担えず、特定のCEO以外には経営できない非常に属人的に経営されていることは、むしろ当該企業が素晴らしい使命感や覚悟あるCEOがリードする強い企業であることを示唆しているため。当然、特定のCEO以外には経営できない非常に属人的に経営されている企業にも、経営チームやリーダーシップ・チームは存在しているはずだが、本質は特定のCEO1人で経営されている

  • しかしながら、特定のCEO以外には経営できない非常に属人的に経営された企業は、大きなリスクをはらむため、リスクヘッジが必要

  • 経営チームやリーダーシップ・チームによる経営の分業化、後継者の育成や当該CEOの身体知・暗黙知の形式知化を通じてリスクヘッジすることは定石ではある。しかしながら、現CEOの体力や意識・行動様式の変化を見逃さないことがリスクヘッジの本質




素晴らしい使命感や覚悟あるCEOがリードする強い企業


ある企業が特定のCEO以外には経営できない非常に属人的に経営されている場合、どのような印象・評価が下されるだろうか。


Aさんは、過度な属人性は危うい。CEOにもしものことがあった場合や気力を失った場合、一気に経営が立ち行かなくなる。従って、当該企業は安定性に欠けた好ましくない企業だと評価した。彼は、経営論を学んだことはあるが経営経験はない。

Bさんは、当該CEOは経営を科学し哲学にまで昇華させた稀有なCEOだ。当然、企業の成長ステージや現CEOの体力の衰え等を考慮し、中長期を見据え、後継者の育成や当該CEOの身体知・暗黙知の形式知化は必要となるが、このまま高い属人性を維持しながら経営していけばよい。従って、当該企業は素晴らしい企業だと評価した。彼女は、経営論の学習に加え、現在進行形でCEO職を全うしている。


現実の世界ではどちらの評価も見受けられるが、Aさんに類する評価が過半数を占めるのではないか。そもそも、現在進行形でCEO職を全うしている人物はマイノリティであるため、当然だ。


では、著者はどのような印象・評価を下すか。

結論を述べると、著者は、ある企業が特定のCEO以外には経営できない非常に属人的に経営されている場合、当該経営・企業を非常に高く評価する。つまり、是だ。


なぜなら、経営の本質を突き詰めると、経営はCEO・リーダー1人でしか担えず(例えば、経営の非常に重要な要素であるリーダーシップや理想の決断等は最後の最後は1人で行われる)、特定のCEO以外には経営できない非常に属人的に経営されていることは、むしろ当該企業が素晴らしい使命感や覚悟あるCEOがリードする強い企業であることを示唆しているためだ。当然、特定のCEO以外には経営できない非常に属人的に経営されている企業にも、経営チームやリーダーシップ・チームは存在しているはずだが、本質は特定のCEO1人で経営されているのである。


しかしながら、Bさんが言うように、特定のCEO以外には経営できない非常に属人的に経営された企業は、大きなリスクをはらむ。

では、どのようにリスクヘッジすればよいだろうか。著者の考えを述べたい。




CEOの体力や意志・行動様式の変化を見逃さない


企業の仕組みとして、経営チームやリーダーシップ・チームによる経営の分業化、後継者の育成や当該CEOの身体知・暗黙知の形式知化を通じてリスクヘッジすることは定石ではあろう。


しかしながら、現CEOの体力や意識・行動様式の変化を見逃さないことがリスクヘッジの本質だ。

基本的に、現CEOによる非常に属人的な経営は好ましいものであり、可能な限り現体制を維持したい。そのためには、現CEOの体力や意識・行動様式の変化に目を光らせることが最も重要なリスクヘッジだろう。


もし読者が、特定のCEO(例えば、自分)による非常に属人的な企業経営に悩まれている場合、本論考を参考にその価値とリスクヘッジを再考されてみては如何だろうか。



著者

澤 拓磨(さわ たくま)

TS&Co.グループホールディングス株式会社 代表取締役 CEO創業者

経営変革プロフェッショナル


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