結果に直結する行動
- 澤拓磨 TS&Co.代表取締役 兼 最高経営責任者(CEO)
- 7月11日
- 読了時間: 4分
更新日:7月14日
概要
企業経営は、結果に直結しない思考と行動に溢れ、手段の目的化があらゆる階層で横行している。例えば、近似浮上した企業経営のトレンドワードを冠した●●部等の新設はその典型例
結果に直結する行動を実現するための要諦は、①経営とは何かを反芻する、②理想を高い解像度で見える化する、③厳格な優先順位づけの3つ
経営とは、結果を出し続ける行動(著者は異次元の結果を出し続ける行動とも捉えている)。そして、結果を出し続けるためには、原因となる行動が必要。本来、経営とは非常にシンプル。ところが、経営学者や先人は、企業経営における原因を複雑にした。しかしながら、結果に直結する行動という視点で企業経営における原因を捉えれば、これらは単なるラベリングに過ぎない。結果に直結する行動を実現するには、まず経営とは何かを反芻することが出発点
企業経営は手段の目的化に陥りやすい
企業経営は、人生経営等の個人単位で行われる経営と異なり、個人レベルを超えた様々な経営資源(ヒト・モノ・カネ等)を蓄積・活用しながら行われる。また、企業経営に馴染みのない方からすると、一見複雑怪奇にもみえるレベルで構造が複雑化されている。書店に行けば、企業経営に関連するコーナーが設けられ関連書籍が山ほど存在するだろう。
従って、企業経営は、結果に直結しない思考と行動に溢れ、手段の目的化があらゆる階層(トップマネジメント・役員・ミドルマネジメント・現場)で横行している。
例えば、近似浮上した企業経営のトレンドワードを冠した●●部等の新設はその典型例だろう。自社固有の望ましい結果、すなわち、理想が明確であれば、当該理想と現実のギャップを埋める最適解でなければトレンドワードは極論無視しても問題ないはずである。
このように企業経営では、結果に直結する行動を実現することが思いのほか難しいのだ。
では、どうすれば企業全体として、結果に直結する行動を実現できるだろうか。その要諦について、著者の考えを紹介したい。
結果に直結する行動を実現するための要諦
結果に直結する行動を実現するための要諦は、以下3つだと著者は考えている。
1.経営とは何かを反芻する
経営とは、結果を出し続ける行動(著者は異次元の結果を出し続ける行動とも捉えている)だ。そして、結果を出し続けるためには、原因となる行動が必要となる。本来、経営とは非常にシンプルだ。
ところが、経営学者や先人は、企業経営における原因を複雑にした。曰く、リーダーシップ。曰く、マーケティング。曰く、競争戦略。曰く、ファイナンスと。しかしながら、結果に直結する行動という視点で企業経営における原因を捉えれば、これらは単なるラベリングに過ぎない。
結果に直結する行動を実現するには、まず経営とは何かを反芻することが出発点だ。
2.理想を高い解像度で見える化する
そもそも、望ましい結果とは具体的にどのような結果だろうか。理想を高い解像度で見える化でき、意志を込めて人々に説明できるだろうか。
結果に直結する行動を実現するには、そもそも望ましい結果とはどのような結果なのかについて確信し、高い解像度で見える化することが有効だ。結果、結果に直結する行動を構想でき、どのような行動が結果に直結する行動なのかを評価できる。
3.厳格な優先順位づけ
優先順位づけは、言うは易く行うは難しの典型例である。わかってはいても、企業経営のあらゆる局面で結果に直結する行動とそうでない行動を評価し厳格に優先順位づけし続けることは容易ではない。
しかしながら、結果に直結する行動を実現するという視点で行動を再考する場合は、行動の厳格な優先順位づけを無視することはできない。
従って、自社固有の優先順位を決断する軸を定め、その軸に照らし、行動を厳格に優先順位づけしていく必要がある。
当たり前に聞こえるが、企業経営では、驚くほど結果に直結する行動を実現することは難しい。
もし読者が、結果に直結する行動を実現することに対して問題意識をお持ちであれば、本論考を参考に、自社は結果に直結する行動を実現できているか再考されてみては如何だろうか。
著者
澤 拓磨(さわ たくま)
TS&Co.グループホールディングス株式会社 代表取締役 CEO創業者
経営変革プロフェッショナル
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