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経営変革法としての「No.1」の魔力

  • 澤拓磨 TS&Co.代表取締役 兼 最高経営責任者(CEO)
  • 4月6日
  • 読了時間: 5分

更新日:4月21日




概要

  • No.1の活用は、企業経営史の初期から、業界・地域等を問わず様々な企業が継続的に行う企業活動

  • 現在も、会社としての活用、製品・サービスとしての活用、現場組織としての活用等、No.1が至る場面で活用されている

  • 経営におけるNo.1の影響力は計り知れず、CEOをはじめとするリーダーにとって無視できない概念と言える

  • 経営におけるNo.1の本質は「経営変革の起爆剤」。No.1には人を動かす魔力がある。そうであるならば、CEOをはじめとするリーダーは、正しくNo.1の魔力を活用し、経営変革を加速させては如何だろうか?




経営において「No.1」が活用される場面


経営ではNo.1が至る場面で活用され、例えば、以下のように会社としての活用、製品・サービスとしての活用、現場組織としての活用がなされている。


  • 会社としての活用:ビジョン(我々は20●●年までに▲▲業界No.1となる等)、業績成長率ランキングNo.1、ブランド価値ランキングNo.1、IRサイトランキングNo.1等

  • 製品・サービスとしての活用:▲▲業界売上高No.1、市場シェアNo.1、顧客満足度ランキングNo.1等

  • 現場組織としての活用:働きやすさランキングNo.1、従業員満足度ランキングNo.1、働きがいのある職場ランキングNo.1、年収ランキングNo.1、女性管理職比率ランキングNo.1等


No.1の活用は、企業経営史の初期から、業界・地域等を問わず様々な企業が継続的に行う企業活動だ。

筆者自身も、No.1という甘美で人を惹きつける用語を、経営に有効活用したいという思いはよく理解できる。


こうした魅力を持ったNo.1だが、昨今、企業を各種切り口でランキングする第三者調査機関の増加等の影響を受け、不適切な活用が問題視されている。


例えば、日本市場では、2024年9月26日に、消費者庁がNo.1広告(商品やサービスを「顧客満足度No.1」等と宣伝する表示。合理的な根拠がないとして景品表示法違反となる事例が相次いでいる。商品やサービスを実際に利用したかを問わずに印象だけで「満足度」等を尋ね、結果を示すといった調査方法の問題が指摘されている)を課題と認識し、一般消費者による自主的かつ合理的な商品等の選択を保護すること等を目的とした「No.1 表示に関する実態調査報告書」を公表した。

そして、不当なNo.1表示等が疑われる事案に対しては、迅速に指導を行い是正を図ることを含め、引き続き、景品表示法に基づき厳正に対処していく方針を示した。


こうした背景もあり、日本市場において、経営におけるNo.1の活用は新局面を迎えている。

とは言え、経営におけるNo.1の活用は、今後も無くなることはないだろう。


そこで、そもそもNo.1は経営に対しどのような影響を与える概念だろうか?について考察した。


既に多くの企業で具体的なNo.1の活用が進み、事例は豊富に存在するため、本稿では、No.1をこれから活用される、あるいは、既に活用しているが再考されようとされている方向けに、経営におけるNo.1の影響力に焦点を当て論じたい。




経営における「No.1」の影響力


結論から述べると、経営においてNo.1は、社外・社内に対し以下のような影響を与える概念だと考えている。


社外への影響


顧客

  • この会社は業界No.1を目指してるのか。今後も持続的な成長を見込めそうだから、サービスを導入してみよう

  • この製品は、このカテゴリーにおいて売れ行きランキングNo.1なのか。じゃあ、ちょっと試してみよう

  • この会社の現場組織は、働きやすさランキングNo.1なのか。どうりで、優秀で誠実な方が多いわけだ


サプライヤー

  • この会社は業界No.1を目指してるのか。継続的にまとまった取引が期待できそうだし、より関係性を深めよう

  • この会社の製品は顧客満足度ランキングNo.1なのか。当該製品を生み出す部品を当社が提供できてることは誇らしい

  • この会社の現場組織は、従業員満足度ランキングNo.1なのか。たしかに、皆さんイキイキと働かれてるな


株主

  • この会社は業績成長率No.1か。堅牢で持続可能な競争優位性を持たれており、今後も期待できるため、追加投資しよう

  • この会社の製品は顧客満足度ランキングNo.1なのか。今後も、高い顧客満足度を維持しながら、成長していって欲しい

  • この会社の現場組織は働きがいのある職場ランキングNo.1なのか。人の力で今後もいい経営を進めてほしい


社内への影響


従業員・労働組合・アルムナイとその家族

  • うちの会社は業界No.1を目指してるらしい。CEO・社長の意志が強く伝わってくるし、これからが楽しみだな

  • うちの製品は市場シェアNo.1。顧客にも喜んで頂いてるし、営業活動に精が出るな

  • うちの現場組織は、女性管理職比率ランキングNo.1なんだ。ロールモデルとなる先輩もたくさんいるし私も頑張ろう


取締役とその家族

  • うちの会社もついにブランド価値ランキングNo.1となったか。諸先輩方に続くべく、一層精進しよう

  • うちの製品は業界売上高No.1だ。これからも自信を持って、顧客に製品を提案・提供していこう

  • うちの現場組織は、年収ランキングNo.1なのか。今後もこの高還元を持続し、いい組織を作っていきたい


以上述べた通り、経営におけるNo.1の影響力は計り知れず、CEOをはじめとするリーダーにとって無視できない概念と言えるだろう。




経営における「No.1」の本質


企業経営史の初期から、業界・地域等を問わず様々な企業が継続的に活用し、現在のCEOやリーダーにとっても経営を行ううえで無視できない概念であるNo.1だが、その本質は何か?


TS&Co.は、経営におけるNo.1の本質を「経営変革の起爆剤」だと考えている。

ここまで、経営においてNo.1が活用される場面、経営におけるNo.1の影響力について述べたが、内容からもご推察頂けるようにNo.1には人を動かす魔力がある。


そうであるならば、CEOをはじめとするリーダーは、正しくNo.1の魔力を活用し、経営変革を加速させては如何だろうか?


TS&Co.は今後も、顧客が理想とする結果の実現に向けた経営変革を「No.1」等の経営変革法を活用しながら、全力で支援していく所存である。



著者

澤 拓磨(さわ たくま)

TS&Co.グループホールディングス株式会社 代表取締役 創業者CEO

TS&Co.株式会社 代表取締役

経営変革プロフェッショナル


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