使命(ミッション)の本質
- 澤拓磨 TS&Co.代表取締役 兼 最高経営責任者(CEO)
- 7月18日
- 読了時間: 4分
概要
使命とは、「なぜ・何に経営資源を使うかに対する解」だ。順番は先頭に来る。なぜなら、実際の経営の現場では、短期的には目標を先頭にしひたすら目先の目標達成に集中する方がより良い結果を出せる可能性もあるが、中・長・超長期的にはそれでは世界からの共感を得られず組織も疲弊しモメンタムを維持できないため。中・長・超長期の経営で組織の拠り所となり人心を一つにするのは使命。使命は中・長・超長期の経営で本領発揮する。使命の価値も、この点こそが核心
「使命は重要性の高低はあれど経営に必須」。なぜなら、使命は企業の存在理由・存在価値そのものであり、使命がなかりせば企業は単に短期的な価値と対価の等価交換取引を行うための箱となってしまうため
たしかに、短期的には使命を定めず、ひたすら目先の目標達成に集中する方がより良い結果を出せる可能性もある。しかしながら、著者の経験では、中・長・超長期的にはそれでは世界からの共感を得られず組織も疲弊しモメンタムを維持できない。企業経営を行うのは人間であり、人間が目先の目標達成にひたすら集中し続けられる期間は限定的
従って、企業の経営環境に応じて重要性の高低はあれど、使命は経営において必須と考える。創業間もなく日々資金繰りに追われている企業や再生(ターンアラウンド)フェーズにある企業においても例外ではない
使命は中・長・超長期の経営で本領発揮
企業経営に関与された方であれば、誰しも、企業理念を定めるフレームワークである使命(ミッション)・目標(ビジョン)・価値観(バリューズ)について聞いたことがあるだろう。
そして、その意味、順番、価値等をさして追求することなく、使用されている企業も多く存在する。
そこで本論考では、うち、使命(ミッション)について掘り下げることとした。
使命とは、「なぜ・何に経営資源を使うかに対する解」だ。日本語はよくできていて、そのものズバリである。個人レベルで言えば、「なぜ・何に命を使うかに対する解」となる。
そして、順番は、フレームワーク通り、先頭に来る。なぜなら、実際の経営の現場では、短期的には目標を先頭にしひたすら目先の目標達成に集中する方がより良い結果を出せる可能性もあるが、中・長・超長期的にはそれでは世界からの共感を得られず組織も疲弊しモメンタムを維持できないためである。中・長・超長期の経営で組織の拠り所となり人心を一つにするのは使命だ。使命は中・長・超長期の経営で本領発揮する。
使命の価値も、この点こそが核心だろう。
では、使命は全ての企業に必要だろうか。
短期的には目標を先頭にしひたすら目先の目標達成に集中する方がより良い結果を出せる可能性もある以上、例えば、創業間もなく日々資金繰りに追われている企業や再生(ターンアラウンド)フェーズにある企業においては不要ではないか。
著者の考えを述べたい。
使命は重要性の高低はあれど経営に必須
結論を述べると、著者は、「使命は重要性の高低はあれど経営に必須」だと考えている。
なぜなら、使命は企業の存在理由・存在価値そのものであり、使命がなかりせば企業は単に短期的な価値と対価の等価交換取引を行うための箱となってしまうためだ。
たしかに、短期的には使命を定めず、ひたすら目先の目標達成に集中する方がより良い結果を出せる可能性もある。
しかしながら、著者の経験では、中・長・超長期的にはそれでは世界からの共感を得られず組織も疲弊しモメンタムを維持できない。企業経営を行うのは人間であり、人間が目先の目標達成にひたすら集中し続けられる期間は限定的だ。
従って、企業の経営環境に応じて重要性の高低はあれど、使命は経営において必須と考える。創業間もなく日々資金繰りに追われている企業や再生(ターンアラウンド)フェーズにある企業においても例外ではない。
もし読者が、使命を定めるべきか、使命を現経営環境下でどこまで重要視すべきか等に問題意識をお持ちであれば、本論考を参考にされてみては如何だろうか。
著者
澤 拓磨(さわ たくま)
TS&Co.グループホールディングス株式会社 代表取締役 CEO創業者
経営変革プロフェッショナル
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