コーポレート・マーケティング
- 澤拓磨 TS&Co.代表取締役 兼 最高経営責任者(CEO)
- 7月8日
- 読了時間: 4分
更新日:3 日前
概要
コーポレート・マーケティングとは、「世界に対して自社を伝達し選ばれ理想を実現すること」
自社は何者か?、自社はいつまでに・どこに向かおうとしているのか?、自社はなぜ・何をしているのか?、自社はその過程をどのように前進しているのか?、自社の戦略は何か?等を正しく伝達することが重要
企業がコーポレート・マーケティング機能を強化している理由は、①存在伝達、②価値伝達、③リーダーシップ伝達。従って、コーポレート・マーケティングは、しばしばCEOの仕事と位置づけられる
コーポレート・マーケティング実践の要諦は、①リーダーシップ、②誠実、③継続の3つ。特に、コーポレート・マーケティングの実践においてリーダーシップは欠かせない。
世界に自社の存在・価値・リーダーシップを正しく伝達し理想を実現
コーポレート・マーケティングとは、「世界に対して自社を伝達し選ばれ理想を実現すること」だ。
自社は何者か?(強み、社名、創業、事業内容等)、自社はいつまでに・どこに向かおうとしているのか?(ビジョン)、自社はなぜ・何をしているのか?(ミッション)、自社はその過程をどのように前進しているのか?(バリューズ)、自社の戦略は何か?等を正しく伝達することが重要となる。
昨今、多くの企業がコーポレート・マーケティング機能を強化しており、伝統的な広報、IR、マーケティング機能に加え、今日的な命題であるサステナビリティ、CSR、危機管理、パブリックアフェアーズといった機能も包含したコーポレート・マーケティング組織が新設されている。
では、なぜ企業はコーポレート・マーケティング機能を強化しているのか。理由は3つだ。
1.存在伝達
世界の情報量が増加し続けているため、能動的に伝達し続けなければ自社の存在を忘れ去られてしまう。
2.価値伝達
世界が常に自社に関心を持っている訳ではなく、何もしなければ世界と自社間の認識齟齬が広がり続けてしまう。
3.リーダーシップ伝達
世界に対し、理想を実現した結果を示し続けることで、人々をマーケティング・エンパワーメントし、理想に連れていける。
従って、コーポレート・マーケティングは、しばしばCEOの仕事と位置づけられるのだ。
例えば、上場企業のCEOが四半期毎に行う投資家向け説明会等が該当する。
では、コーポレート・マーケティングを実践する際に、特に留意すべき要諦は何か。著者の考えを述べたい。
コーポレート・マーケティング実践の要諦
結論から述べると、要諦は以下3つだ。
1.リーダーシップ
コーポレート・マーケティングの要諦の筆頭は、リーダーシップだ。企業はどのような理想を掲げ、実現したのか。その結果を伝達し人々に証明する。結果、人々をマーケティング・エンパワーメントすることができ、企業が掲げる理想に人々を連れていくことができる。結果、企業自身も理想を実現しやすくなり、やがて理想の実現に至るのだ。
従って、コーポレート・マーケティングの実践においてリーダーシップは欠かせない。
2.誠実
企業は、どんなに順調で優れた経営が実践されても必ずライフサイクルのどこかで、良い時ばかりでなく悪い時が訪れる。
悪い時には、個人も組織も、そうした状況を隠したり、噓をついて誤魔化したくなるものだが、そこで隠さず噓をつかず企業として責任を全うしようとする姿勢が、世界からの信用と信頼に繋がる。結果、企業自身も理想を実現しやすくなり、やがて理想の実現に至るのだ。
具体的には、常にどんな理想を実現しようと、どのような戦略・計画を決断し、どのように実行した結果、どのような結果に至ったのかについて丁寧に伝達していくことが重要となる。
3.継続
企業が生存し、経営が続く限り、コーポレート・マーケティングに終わりはない。
コーポレート・マーケティングが継続されなければ、世界から自社の存在を忘れ去られ、世界と自社間の認識齟齬も広がり続けるばかりである。
コーポレート・マーケティングは、継続されてはじめて真価を発揮する戦略だ。
以上3つの要諦が、コーポレート・マーケティングを実践する際の本質だと著者は考えている。
もし読者が、コーポレート・マーケティング機能の強化を企図されているのであれば、本論考を参考にされてみては如何だろうか。
著者
澤 拓磨(さわ たくま)
TS&Co.グループホールディングス株式会社 代表取締役 CEO創業者
経営変革プロフェッショナル
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