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CEOの人間力と器

  • 7月4日
  • 読了時間: 5分

更新日:3 日前




概要

  • 人間力とは、1人の人間が持つ生きる力。人間の器とは、1人の人間が持つ世界・物事に対する受容力。人間力は生きるために活用可能な全ての力を包含した総合的な力で、器は人間力の一部

  • CEOの人間力と器が経営に与える影響として最も大きなものは、「理想に挑み続ける意志」。高い人間力、広い器は、壮大な理想の構想を助け、理想の実現に向け挑み続ける意志をもたらす。結果、結果を出し続けたり、異次元の結果を出し続けることに成功する

  • CEOが人間力を高め器を広げる方法は、①自分を知り受容する、②実践を通じた経験の蓄積、③人間力と器を意識・評価し続けるの3つが有用。特に、実践を通じた経験の蓄積は、他の方法では代替できない

  • CEOのこれまでの経験対比でストレッチゾーン・パニックゾーンに挑む必要のある実践経験(例えば、強烈な挫折経験や成功体験、居心地の悪い環境での結果創出経験等)がCEOの人間力を高め器を広げる




CEOの人間力と器が経営に与える影響


人間力とは、1人の人間が持つ生きる力である。そして、人間の器とは、1人の人間が持つ世界・物事に対する受容力である。

人間力は生きるために活用可能な全ての力を包含した総合的な力で、器は人間力の一部だ。


企業は社長の器以上に大きくならないといった言説が存在するが、企業は社長が持つ世界・物事に対する受容力以上に大きくならないと読み替えると、その意味するところを掴みやすい。

要するに、社長がより広い世界を受容したり(例えば、地方にとどまらずグローバルを視野に入れる、専業にとどまらず多角化を視野に入れる、独立系に拘らず外部株主を受け入れ飛躍的な成長を果たすことを視野に入れる等)、社長がより高リスク・リターンを受容する力以上に、企業は大きくならないということだ。


CEOの器だけでも経営に多大な影響を与えるが、CEOの人間力と器が経営に与える影響として最も大きなものは、「理想に挑み続ける意志」だろう。


高い人間力、広い器は、壮大な理想の構想を助け、理想の実現に向け挑み続ける意志をもたらす。結果、結果を出し続けたり、異次元の結果を出し続けることに成功する。

これが、CEOの人間力と器が経営において重要だと考えられる主因だろう。


では、CEOはどのように人間力を高め、器を広げればよいだろうか。その方法と要諦について著者の考えを紹介したい。




CEOが人間力を高め器を広げる方法と要諦


著者もまだ修行中の身ではあるが、著者自身の実践を通じた経験知では、以下の方法と要諦が有用だと考えている。


1.自分を知り受容する

まず、CEOが人間力を高め器を広げる方法として、何をおいても絶対に欠かせないのは、自分自身を知り受容することだ。自分が自分を知り受容できなければ人間力は活かせず生まれもしないし、世界・物事を真に受容できない。

自分を知るとは、自分の持ち味やらしさ・ならでは、強みと弱み、ポジショニング、ケイパビリティを知る(それぞれをより細分化し語ることはできるが、本論考では本質に絞り記載)ことだ。そして、それを受容する。それが、CEOが人間力を高め器を広げるための出発点となる。


2.実践を通じた経験の蓄積

次に、実践を通じた経験の蓄積を図る。我々人間は、実体験を通じて、細胞・本能・意識レベルで様々なことを学習する。こればかりは、他の方法では代替できない。

しかしながら、単なる実践を通じた経験の蓄積では、必ずしもCEOの人間力を高め器を広げられない。CEOのこれまでの経験対比でストレッチゾーン・パニックゾーンに挑む必要のある実践経験(例えば、強烈な挫折経験や成功体験、居心地の悪い環境での結果創出経験等)がCEOの人間力を高め器を広げる点に留意すべきだ。


3.人間力と器を意識・評価し続ける

日々自らの人間力と器を意識・評価しているCEOは、どれだけ存在するだろうか。

企業は社長の器以上に大きくならないと聞き、漠然と自らの人間力と器について考えたことがあるというCEOが大半ではないだろうか。

それは非常に健全だ。そもそも、CEOは経営(結果を出し続ける行動、異次元の結果を出し続ける行動)の最高責任者であり、人間力と器に傾倒することは、手段の目的化以外の何物でもない。

しかしながら、CEOの人間力と器が経営のパフォーマンスを向上しうることは自明であり、無視はできない。

従ってCEOは、経営全体に思考を巡らせる一環として、人間力と器を意識・評価する習慣を持つことが有用だと著者は考えている。なぜなら、経営全体に思考を巡らせる際には、CEOの人間力と器をどのようにリーダーシップに活かすか?という問いに解を見出すことが必要不可欠だからだ。

もし、この問いに目を背けたり、解として自らの人間力と器が企業としてのリーダーシップの弱体化を招いていると考えられるのであれば、自らはベストCEOとは言えず、後任に席を譲る時が来たのかも知れない。


以上の3点が、著者自身の実践を通じた経験知として見出した、CEOが人間力を高め器を広げる方法と要諦である。


もし、自らの人間力と器に関して課題意識を持つ読者がいらっしゃれば、本論考で紹介した人間力を高め器を広げる方法と要諦を、是非参考にして頂きたい。



著者

澤 拓磨(さわ たくま)

TS&Co.グループホールディングス株式会社 代表取締役 CEO創業者

経営変革プロフェッショナル


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