世界のメガトレンド―2031-2050年
- 澤拓磨 TS&Co.代表取締役 兼 最高経営責任者(CEO)
- 5月11日
- 読了時間: 23分
更新日:5月24日
概要
2031-2050年における世界のメガトレンドは、「1.社会のアイデンティティと行動の変容」、「2.新興国・地域の台頭と地政学リスク」、「3.ブラックスワンと危機対応」、「4.中期高齢化社会」、「5.技術革新」、「6.飲食逼迫の解消」、「7.地球温暖化の防止」の7つ
CEOをはじめとするリーダーは、7つのメガトレンドの背景、現状、方向性を理解し、対応していかなければならない
TS&Co.グループは、2031-2050年における世界のメガトレンドは7つ存在すると考えている。そして、リスク(大・中・小)と発生時期(短期・中期・長期)の2軸で評価し優先順位をつけた(リスクが大きく、発生時期が短期であるほど優先度が高いと評価)。以降、優先順位順に紹介したい。
メガトレンド1:社会のアイデンティティと行動の変容
1つ目は、社会のアイデンティティと行動の変容だ。
2025-2030年同様、世界情勢を正確につかむうえで中核となるのは、経営の生殺与奪の決定要因ともなり、経営システム全体を変える必要性も生じうる社会のアイデン ティティと行動の変容である。
2031-2050年においては、世界の主要イスラム国であるインドネシア、パキスタン、インドなどを含む中南アジア、アフリカ諸国の人口増加を背景にイスラム教徒が27億6,148万人(世界人口の29.7%)となり、キリスト教徒29億1,807万人(同31.4%)に伯仲する人類史上初の現象が予想される。その結果、これまでと異なるアイデンティティを持った人々による決断と実行が、中南アジア、アフリカ諸国を中心になされ、世界情勢も変化していく。
また、社会の格差や分断を問題視し、資本主義への懐疑が叫ばれている点も、社会のアイデンティティと行動の変容における方向性をとらえるうえで見逃してはならない。
メガトレンド2:新興国・地域の台頭と地政学リスク
2031-2050年は、インド、インドネシア、ブラジル、メキシコ、アフリカ諸国に代表される新興国・地域が、地球システムを構成する政治・経済・社会・技術の全領域において台頭する。
特に、2050年に、人口16億人へ成長が予測されるインド、同24億人へ成長が予測されるアフリカ諸国を対象とした巨大な事業機会をCEOをはじめとするリーダーは見逃してはならない。2050年の世界人口が97億人と予測されるなか、インド及びアフリカ諸国は、その41.2%を占めることとなる。
そしてまた、新興国・地域の台頭に伴い、未だ顕在化していない新たな地政学リスクが生じることも自明であるため、この点に対する備えもCEOをはじめとするリーダーは忘れてはならない。
なお、日本においては、新興国・地域の台頭と地政学リスクもさることながら、米中両国と過不足なく程よい距離を生み出すよう常に気を張り詰めておく必要がある点に変わりはないことも申し添えておきたい。
メガトレンド3:ブラックスワンと危機対応
過去の歴史を振り返れば、10年に1度は経営システム全体を変える必要性も生じ得るブラックスワンや予期せぬ危機に、人類は見舞われてきた。世紀に限定しても、2008年のリーマン・ショック、2019年からの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)禍、2022年のウクライナ侵攻など、直近10年以内に度重なるブラックスワンや予期せぬ危機に見舞われている。
従ってCEOをはじめとするリーダーは、最低でも10年に1度は、経営システム全体を変える必要性も生じ得るブラックスワンや予期せぬ危機が起こることを前提に備えをしておかなければならない。
メガトレンド4:中期高齢化社会
2031-2050年の世界は出生率が減少し、死亡率は1.0を上回る。世界人口97億人中、15億人(15.4%)が65歳以上の人々で構成される中期高齢化社会を迎える。それに伴って生じる、高齢者向け医療費増大、火葬場不足、空き家増加、1人暮らし世帯増加といった社会課題をCEOをはじめとするリーダーは見逃してはならない。
メガトレンド5:技術革新
2031-2050年は、AI、宇宙開拓、再生可能エネルギーなどの分野で技術革新が進むと考えられている。
例えば、AI分野ではAIによる画像や言語認識(翻訳)がシンギュラリティ(人間の知能に追いつき追い越す技術的特異点)を迎え、得意分野(言語/翻訳・画像認識など)と不得意分野(言語理解など)が明確になり、AI倫理の制定・適用・フィードバックなどが課題となる。
宇宙開拓分野では市場規模が2022年比約3倍の1兆ドルを超える(Morgan Stanley 「Space: Investing in the Final Frontier」)、再生可能エネルギー分野では 再生可能エネルギー(石油・石炭・天然ガスなどの有限な化石エネルギーとは異なり、太陽光・風力・地熱・雪といった自然界に存在するエネルギー。①枯渇しない、②どこにでも存在、③CO2を排出しない・増加させない点が特徴)を活用した生活改善加速、蓄熱システムによる新しい融雪技術の普及により化石燃料をほとんど使わず快適な冬の暮らしを実現、暖房代や冷房代などの費用面を気にする必要なくエネルギーの自給自足ができる世界を実現など、種々の領域にて取り組みが進むと予測されている。
CEOをはじめとするリーダーは、2031-2050年においても、こうした日進月歩で進化し続ける技術革新を経営に活かしていかなければならない。
メガトレンド6:飲食逼迫の解消
2031-2050年には、栄養不足人口と栄養不足蔓延率はさらに上昇し、世界的により飲食が逼迫するだろう。
例えば2050年には、人口増加に伴い2000年比1.6倍の食料増産が求められ、世界の4割の人々が水の日常使用に不便を感じる水ストレスにさらされると予想されている(国連環境計画)。さらに、2040年代の英国では、人口増加の影響により深刻な水不足に陥ることが予想されている。
2022年現在、東京都では、ゼロエミッション東京*を構成する一つとして、サーキュラーエコノミー(循環型経済)**の考え方に基づき、「食品ロス発生量実質ゼロ(食品ロスの発生抑制に最大限努め、なお発生する食品ロスについては、飼料化・肥料化により廃棄をゼロにする)」を2050年の目指すべき姿とし、コミットメント(公約)している。 また、食品ロス削減への取り組みは、米国、英国、オーストラリア、フランス、ドイツなどにおいても数々の先進的な取り組みが行われているなど、全世界的な社会課題として既に認識され、解決に向けた行動が開始されている。
*東京都の目指すべき姿(ゴール)。気温上昇を+1.5℃に抑えることを追求し「2050年までに世界共通のゴールであるCO2排出実質ゼロに貢献する」。ゼロエミッション東京の実現には、2030年までの行動が極めて重要であり、2030年までに温室効果ガス排出量を50%削減(2000年比)する「カーボンハーフ」 を表明するとともに、この実現に向け、2019年に策定・公表した「ゼロエミッション東京戦略」をアップデー トし取り組みを加速させている。2022年9月には、東京都環境基本計画を改定し、ゼロエミッション東京の実現をはじめとする2050年のあるべき姿の実現に向けた、具体的な目標と施策のあり方を示し、条例改正に係る制度強化・拡充の方向性を示す「カーボンハーフ実現に向けた条例制度改正の基本方針」を発表。
**経済活動のなかで廃棄されていた製品や原材料などを資源ととらえ、リサイクル・再利用などで活用し資源を循環させる新しい経済システム。世界的な人口増加と経済成長を背景に大量生産と大量消費が繰り返されるなかで、処理し切れなくなった大量の廃棄物が自然環境を汚染し生態系にも甚大な被害を与えているとともに、資源や自然エネルギーにも限りがあるなか、地球環境を守りながら経済を持続していくために求められている概念。
CEOをはじめとするリーダーは、こうした巨大な社会課題を認識し、解決に向けた行動を模索し続けなければならない。
メガトレンド7:地球温暖化の防止
ホットハウスアース理論で示された「+1.5℃上昇がプラネタリー・バウンダリー」であることに鑑みれば、起こりうる可能性の非常に高いシナリオ通りに世界の平均気温が変化していくことは、われわれ人類の浮沈にかかわる非常に重要な課題であることがうかがえる。
具体的には、農業収穫量は減少し、台風に伴う大水害が発生・海水温が上昇、近海魚の絶滅が予測される。2018年以前には、2015年に採択された、2030アジェンダの中核をなす持続可能な開発目標(SDGs)の目標⑬気候変動において、温室効果ガスの排出が原因で起こる地球温暖化による気候変動に具体的な対策を打ち、地球温暖化を少しでも改善することを目標としていた。この目標を実現するため、以下3つの達成目標と実現方法⒜⒝が設けられ、実際に世界各国で取り組みが始まっている。
①気候に関する災害や自然災害が起きたときに、対応したり立ち直ったりできるような力を、すべての国で備える
②気候変動への対応を、それぞれの国が、国の政策や、戦略、計画に入れる
③気候変動が起きるスピードを緩めたり、気候変動の影響に備えたり、影響を減らしたり、早くから警戒するため、教育や啓発をより良いものにし、人や組織の能力を高める
a)開発途上国が、だれにでも分かるような形で、気候変動のスピードを緩めるための行動をとれるよう、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)で先進国が約束したとおり、2020年までに、あらゆるところから年間1,000億ドルを集めて使えるよう協力する。また、できるだけ早く「緑の気候基金」を本格的に立ち上げる。
b)最も開発が遅れている国や小さな島国で、女性や若者、地方、社会から取り残されているコミュニティに重点を置きながら、気候変動に関する効果的な計画を立てたり管理したりする能力を向上させる仕組みづくりを進める。
2016年には、産業革命前からの世界平均気温の上昇を2℃より十分下方に抑える 「2℃目標」や、今世紀後半の温室効果ガスの排出と吸収の均衡の達成などを目標に掲げるパリ協定が発効した。長期目標に対する世界全体の進捗確認を5年ごとに行い、その結果を各国の行動及び支援強化に活用する「グローバル・ストックテイク(世界全体の実施状況の検討)」という仕組みのもと、すべての国の参加を確保しつつ、効果的なルールに基づくPDCAサイクルを通じて取り組みの実効性を確保する、永続的な枠組みが構築されていた。
そして近年では、無限の経済成長の追求を企図した資本主義への批判が高まっている。それは、資本主義が止まらないことにより、天然資源が枯渇し、土壌が悪化し、重要な鉱物が失われ、産業活動が公害を生み、大気や水を汚染する─無限の経済成長は地球の生存を脅かすのではないかという批判である。実際に、産業活動や消費活動が二酸化炭素な どの大量の温暖化ガスを発生させ、地球温暖化といった気候変動の進行が避けられないことが分かってきており、現実にハリケーンや洪水、山火事、土壌など地球環境への影響が起き、人の衣食住や資源への影響も出てきている。これに対して、EV化、カーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させること)、温室効果ガス排出ゼロなどへの取り組みが世界中でなされている。
地球温暖化防止に貢献することは地球市民であるわれわれの使命であり、CEOをはじめとするリーダーは、こうした巨大な社会課題を認識し、解決に向けた行動を模索し続けなければならない。
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※グローバル=世界全体、APAC(Asia-Pacific)=アジア太平洋、Americas=南北アメリカ大陸、EMEA(Europe, the Middle East and Africa)=欧州、中東、アフリカ
政治
【グローバル】
平均気温が1850-1900年頃の産業革命前と比較し約1.5度上昇(国連環境計画(UNEP))─2040年
石油需要は日量1億410万バレルに(国際エネルギー機関(IEA:International Energy Agency))─2040年
国連創設100周年(国連)─2045年
国連の2030年以降の次期国連開発目標(ポストSDGs)に2045年までの核兵器廃絶の達成が盛り込まれる。日本では2022年4月に、へいわ創造機構ひろしま(HOPe)が国際NGOなどと共に2030年以降のポストSDGsに核兵器廃絶が位置づけられることを目指し市民社会から働きかけを行うグループとして「グローバル・アライアンス『持続可能な平和と繁栄をすべての人に』」【略称:グローバル・アライアンス】を設立し活動開始(国際NGO「グローバル・アライアンス『持続可能な平和と繁栄をすべての人に』」設立構想)─2045年
南極条約議定書(環境保護を目的に南極での資源開発を禁じる)が失効(外務省)─2048年
太陽光と風力が世界の総エネルギー供給の70%を占める(国際エネルギー機関(IEA:International Energy Agency))─2050年
2050年までにエネルギー関連の二酸化炭素(CO2)排出をネットゼロに。新規の化石燃料供給プロジェクトへの投資を即時取りやめること、二酸化炭素排出削減対策を行わない石炭関連工場への投資決定を行わないこと、2030年までに世界の自動車販売の60%を電気自動車にすること、2035年までに内燃機関車(乗用車)の新規販売を停止すること、2040年までに世界の電力部門における二酸化炭素排出のネットゼロ達成、2050年までに発電の約90%を再生可能資源由来にすることなどを求める(国際エネルギー機関(IEA:International Energy Agency))─2050年
経済規模の上位7ヵ国は、中国、アメリカ、インド、インドネシア、日本、ドイツ、ブラジルの順の規模となる(エコノミスト・インテリジェンス・ユニット、長期マクロ経済予測)─2050年
【APAC】
日本:
国家公務員の定年が65歳に引き上げ(内閣府)─2031年
復興庁廃止(復興庁)─2031年
東京電力福島第一原子力発電所のプールから使用済燃料の取出し完了(経済産業省)─2031年
安楽死法制定、AI医師法制定(『未来の医療年表 10年後の病気と健康のこと』講談社現代新書)─2032年
空き家対策特別措置法など空き家減少に向け国家的取り組み加速。団塊世代が相続期を迎え、全国の空き家率が30.2%、2147万戸に達する(野村総合研究所(NRI))─2033年
空の自由化を進め官民でパイロット・技術者約150万人確保を推進(『未来の稼ぎ方 ビジネス年表2019-2038』幻冬舎新書)─2035年
関東北部から能登半島にかけ皆既日食がみられる(国立天文台)─2035年
社会保障給付費が190兆円と2018年対比6割近く増(内閣官房、内閣府、財務省、厚労省)─2040年
社会資本整備審議会道路分科会基本政策部会「2040道路の景色が変わる。人々の幸せにつながる道路」にて、①日本全国どこにいても、誰もが自由に移動、交流、社会参加できる社会、②世界と人・モノ・サービスが行き交うことで活力を生み出す社会、③国土の災害脆弱性とインフラ老朽化を克服した安全に安心して暮らせる社会を目指し、6つの施策(道路行政のDX、ビッグデータやAIの利活用、新技術の開発・活用、多様な主体・計画との連携、ビジョンに対する理解と共感、予算・財源)を提言(社会資本整備審議会道路分科会基本政策部会)─2040年
世界的な食糧争奪戦に巻き込まれる(『未来の年表』講談社現代新書)─2050年
温暖化ガス排出量実質ゼロ・ガスの脱炭素化達成(経済産業省)─2050年
海洋プラスチックごみ輩出ゼロに(外務省)─2050年
東京都の食品ロス発生量実質ゼロ達成(東京都環境局)─2050年
町田市、柏市、諏訪市、新潟市、八代市、朝倉市をはじめ多くの自治体がゼロ・カーボンシティを達成(環境省)─2050年
北海道で雪を農作物等の冷蔵に活用・室内の空気冷却に活用・家庭の生ごみをバイオガス発電に活用し施設を運営(北海道庁)─2050年
日本のGDP(購買力平価ベース)がインドネシア、ブラジル、メキシコなどに抜かれ8位に転落(IMF(国際通貨基金))─2050年
中国:
2035年までに中国軍がインド太平洋地域の全域で米軍に対抗できる軍事力に増大(米中経済安全保障調査委員会)─2035年
2035年に従来のエネルギー乗用車をすべてHVに(中国汽車工程学会(China-SAE))─2035年
建国100周年。祝うのは5億人の老人(『未来の中国年表』講談社)─2049年
インド:GDP(購買力平価ベース)で米国を抜き中国に次いで世界2位の経済大国へ(IMF(国際通貨基金))─2050年
韓国:公的年金の支給開始年齢を65歳に引き上げ(韓国政府)─2033年
インドネシア:実質GDP(購買力平価ベース)で日本を抜き世界4位に(経済協力開発機構(OECD))─2033年
オーストラリア:すべての行政区が2045~2050年までにカーボンニュートラルを達成する(オーストラリア政府)─2050年
【Americas】
米国:
2035年までにクリーンエネルギーへの100%移行を達成するために太陽光エネルギーは必要不可欠な電源であり今後30年間において国内電力供給量に占める全体の割合を現在の3%から45%へ拡大(米エネルギー省(DOE))─2035年
カリフォルニア州・ニューヨーク州でガソリン車の新車販売禁止(ニューヨーク州)─2035年
経済全体のカーボンネットゼロへ移行する(米国政府)─2050年
【EMEA】
欧州連合(EU):ガソリン車・ディーゼル車の販売禁止(欧州連合(EU))─2035年
イギリス:
温室効果ガス排出量が1990年比で78%削減(英国政府)─2035年
温室効果ガス実質ゼロ達成(イギリス政府)─2050年
スウェーデン:温室効果ガスの排出量ゼロ達成(スウェーデン政府)─2045年
フランス:温室効果ガス実質ゼロ達成(フランス政府)─2050年
ドイツ:住宅用太陽光発電システムに蓄電池を備え家庭内で活用(ドイツ政府)─2050年
経済
【グローバル】
半蔵体・情報通信産業のカーボンニュートラル実現(経済産業省)─2040年
2050年頃に再生医療周辺産業の世界市場規模は約15兆円に(経済産業省商務・サービスグループ生物化学産業課)─2050年
【APAC】
日本:
テレマティクス自動車保険開始(『お金の未来年表』SB新書)─2032年
AI関連市場2兆円突破(『未来の稼ぎ方 ビジネス年表2019-2038』幻冬舎新書)─2034年
乗用車新車販売の電動車比率が100%に(経済産業省)─2035年
使用済みプラスチックがリユース・リサイクルと熱回収を合わせ100%有効利用を実現(環境省)─2035年
ロボット産業9.7兆円市場に(経済産業省、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO))─2035年
2035年までに新車販売で電動車100%を実現(国会施政方針演説)─2035年
都市部の高齢化に伴い介護施設需要が増加。首都圏・近畿圏で高齢者が国全体の国全体の増加率の47.5%に当たる23万人増(経済産業省)─2035年
3Dアバター同士の会議が普及(情報通信研究機構)─2035年
葬儀関連市場規模が1兆円超へ。終活事業含めるとさらに巨大市場に(『未来の稼ぎ方 ビジネス年表2019-2038』幻冬舎新書)─2036年
トヨタ自動車100周年(トヨタ自動車)─2037年
公共インフラの維持管理・更新費が投資総額を上回る(国土交通省)─2037年
野菜の18-24%が植物工場からの出荷に(野村総合研究所(NRI))─2040年
FIT開始後に開始した太陽光発電事業が終了(資源エネルギー庁)─2040年
2019年約211万人から2040年には約280万人の介護人材確保が必要に(厚労省)─2040年
産業別就業者数で医療福祉が卸売・小売業を上回り製造業全体に比肩する程に増加(労働政策研究・研修機構)─2040年
次世代移動通信システム(ビヨンド5G)の実用化で112兆円の巨大市場が出現(総務省)─2040年
債務残高がこの年以降4,000兆円と現在の約4倍に達する(財務省)─2041年
つみたてNISAの投資可能期間が終了(財務省)─2042年
世界で供給する日本車が世界最高水準の環境性能を実現(経済産業省)─2050年
日本鉄鋼業のゼロカーボン・スチールが実現(日本鉄鋼連盟)─2050年
船舶分野で水素・燃料アンモニアなどの代替燃料に転換(経済産業省)─2050年
インド:
日本のGDPを抜きIT技術者排出国となる。インド・日本間のクラウドソーシング発達(『未来の稼ぎ方 ビジネス年表2019-2038』幻冬舎新書)─2032年
実質GDP(購買力平価ベース)で米国抜き世界2位に(経済協力開発機構(OECD))─2037年
【Americas】
米国:高齢化とベビーブーマーの大量退職などで年金基金が財政破綻危機(米国財務省)─2041年
【EMEA】
欧州連合(EU):EU中央銀行がデジタル通貨開始(『お金の未来年表』SB新書)─2032年
フランス:エアバスが世界初のゼロエミッション航空機実用化(エアバス)─2035年
社会
【グローバル】
人口85億人に到達(国連)─2035年
人口90億人に到達(国連)─2037年
人口97億人、65歳以上が15億人へ(国連)─2050年
人口規模順でみた「人口G7」は、インド、中国、ナイジェリア、アメリカ、インドネシア、パキスタン、ブラジルの7ヵ国となる(国連「世界人口推計」)─2050年
人口増に伴い2000年比1,6倍の食料増産が求められる(農林水産省)─2050年
人口増に伴い水需要が逼迫。世界の4割の人々が水の日常使用に不便を感じる水ストレスにさらされる(国連環境計画)─2050年
イスラム教徒が27億6000万人になりキリスト教徒29億2000万人に肉薄(米国ピューリサーチセンター)─2050年
【APAC】
日本:
東京圏在来線の主要路線全駅330駅にホームドアを整備(JR東日本)─2032年
全国の住宅の3戸に1戸が空き家へ(『未来の年表』講談社現代新書)─2033年
建設後50年以上経過する道路・橋の割合が63%に(国交省)─2033年
未婚大国が誕生し選択的夫婦別姓も認められる(『未来の年表』講談社現代新書)─2035年
人口1.12億人、高齢化率33.4%(100歳以上の人口256,000人)となり、情報通信・医療福祉・その他サービス業のみ増加傾向も労働力人口大幅減少。高齢者・女性・外国人の活躍及びさらなる働き方改革が必要となる(内閣府)─2035年
団塊ジュニア世代(1971-74年生まれ)が65歳に達しはじめる(厚生労働省)─2035年
AIをそなえた対話介護システムが高齢者を見守る(情報通信研究機構)─2035年
殆どのガンが治療可能に(『未来の中国年表』講談社)─2035年
リニア中央新幹線(名古屋-大阪間)が開業(国交省)─2037年
深刻な火葬場不足。葬祭ビジネスがピークを迎える(『未来の年表』講談社現代新書)─2039年
自治体半数消滅危機(『未来の年表』講談社現代新書)─2040年
寺院数が2019年の約77,000寺から2040年に正住寺院が50,000ヶ寺程度まで減少している可能性(日本創成会議)─2040年
救急病院、老人ホーム、大学、ハンバーガー店のない市町村が急増する(内閣府)─2040年
医療が発展し糖尿病解決、神経難病克服などが可能に(『未来の医療年表 10年後の病気と健康のこと』講談社現代新書)─2040年
労働力人口6,195万人、65歳以上19%(労働政策研究・研修機構)─2040年
65歳以上未婚率男性14.9%、女性9.9%に(国立社会保障・人口問題研究所(IPSS))─2040年
1人暮らし1,994万世帯と全世帯の4割、75歳以上500万世帯(国立社会保障・人口問題研究所(IPSS))─2040年
外国人労働者674万人の需要に対して42万人不足(経済産業省)─2040年
平均寿命男性約83歳、女性90歳(国立社会保障・人口問題研究所(IPSS))─2040年
年間死亡数約168万人とピーク(国立社会保障・人口問題研究所(IPSS))─2040年
築40年超高経年マンション2020年103.3万戸から404.6万戸に(国交省)─2040年
高齢者人口が3,935万人とピークに達しその後減少に転じる(国立社会保障・人口問題研究所(IPSS))─2042年
東京都民の3人に1人が高齢者に(『未来の年表』講談社現代新書)─2045年
都心3区(千代田・中央・港)の総人口は2015年比3割超増加(国立社会保障・人口問題研究所(IPSS))─2045年
7割以上の市区町村で人口が2割以上減少(経済産業省)─2045年
人口1億192万人、100歳以上約53万人、高齢化率37.7%に(国立社会保障・人口問題研究所(IPSS))─2050年
生産年齢人口が2020年比で2/3の約5300万人に減少(経済産業省)─2050年
エンジニアなどの職種の需要が増え、現在、事務・販売従事者を多く雇用する産業の労働需要は大きく減り事務・販売従事者などの需要は大幅減(経済産業省未来人材ビジョン)─2050年
中国:人口が14.7億人でピークに(国連)─2031年
インド:人口が16.3億人に達する(国連)─2050年
韓国:高齢者医療費が2020年比3.5倍となり123兆ウォンを超える(中央日報日本語版)─2050年
インドネシア:ジャカルタで夏季五輪開催(インドネシアオリンピック委員会)─2036年
オーストラリア:東部のブリズベンで夏季オリンピック・パラリンピック開催(国際オリンピック委員会(IOC))─2032年
【Americas】
米国:
カリフォルニア州が化石燃料による発電を全廃。電力の再生可能エネルギー割合100%達成(米国カリフォルニア州)─2045年
人口構成は現在よりヒスパニックが大幅に増加し47%に、白人は29%と少数派に(米国勢調査)─2050年
【EMEA】
英国:人口増で深刻な水不足に陥る(英国環境庁)─2044年
フランス:人口が7,000万人に(フランス国立統計経済研究所(INSEE))─2050年
ドイツ:人口が2005年8,250万人から2050 年には約6,900万人に減少(ドイツ連邦統計庁)─2050年
アフリカ:
人口24億人へ(国連)─2050年
2050年に向け、人口増大と都市化の加速化に直面し、余剰労働力を吸収し得るだけの職を継続的に創出していくこと(現在の化石燃料・鉱物資源に依存するアフリカ経済の構造では、資本集約的であり多くの職の創出は見込めない)が経済・社会秩序の安定に不可欠な要素に。経済構造の転換はアフリカが持続的に成長を続ける上で重要な課題となり民間セクターの役割が期待される分野となる。各国には経済構造をより持続的なものへ転換する一方、民間セクターが活躍できる市場・投資環境の整備を行い、教育・保健サービスの拡充を通じた人的資本の形成も計画的に行うことが期待される(国際協力機構 緒方貞子平和開発研究所)─2050年
技術
【グローバル】
AIによる画像や言語認識(翻訳)がシンギュラリティ(人間の知能に追いつき追い越す技術的特異点)を迎える(野村総合研究所(NRI))─2040年
宇宙ビジネスの市場規模が2022年比約3倍の1兆ドルを超える(Morgan Stanley「Space: Investing in the Final Frontier」)─2040年
植物工場、培養肉生産装置の効率化により月面基地で1,000人分の宇宙食をまかなう技術が確立(一般社団法人スペース・フードスフィア)─2040年
AIがシンギュラリティを迎える。但し得意分野(言語/翻訳・画像認識など)、不得意分野(言語理解など)あり。AI倫理の制定・適用・フィードバックなどが課題に(『The Singularity Is Near:When Humans Transcend Biology』Penguin Books)─2045年
再生可能エネルギー(石油・石炭・天然ガスなどの有限な化石エネルギーとは異なり太陽光・風力・地熱・雪といった自然界に存在するエネルギー。①枯渇しない、②どこにでも存在、③CO2を排出しない・増加させない)を活用した生活改善が加速。蓄熱システムによる新しい融雪技術の普及により化石燃料を殆ど使わず快適な冬の暮らしを実現、暖房代や冷房代等の費用面を気にする必要なくエネルギーの自給自足ができる世界など(北海道大学)─2050年
気候変動・資源枯渇・環境破壊を背景に2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロに、カーボンニュートラル、脱炭素社会(エネルギー・製造・運輸業界等)、世界的な平均気温上昇を2℃より十分低く保ち1.5℃に抑える、21世紀後半に温室効果ガスの人為的な発生源による排出量と吸収源による除去量との均衡を達成。日本では、電源構成の見直し課題。例えば、再生可能エネルギー(太陽光・地熱等)比率大幅増、原子力発電増─2050年
自ら学習・行動し人と共生するロボット実現(内閣府)─2050年
誤り耐性型汎用量子コンピュータ実現(内閣府)─2050年
東京都内を走る自動車は全てゼロエミッションビークル化(東京都)─2050年
世界人口の半分以上、世界GDPの4分の3以上を占める日本、EU、米国、ロシア、中国、韓国、インドの7極が計画に関わるフランス南部のカダラッシュに建設中の国際熱核融合実験炉ITER(イーター)が、JETの10倍の容量のドーナツ型装置を使い臨界プラズマ条件を達成し約400秒の核融合反応を行う予定。2025年に設備を完成させ、2035年に核融合を開始、2050年頃に原型炉を建設し商業的に採算がとれるかの検討も含め実用化を判断。日本は2050年に国産原型炉の運転開始が目標(ITER各国機関)─2050年
【APAC】
日本:
個人のカルテをブロックチェーンで登録管理可能に(『お金の未来年表』SB新書)─2031年
小惑星探査機はやぶさ2が目標天体1998KY26にランデブー(宇宙航空研究開発機構(JAXA))─2031年
自動航行可能な無人運航商船実現(文科省科学技術・学術政策研究所)─2031年
血液成分などの体内情報をモニタリングするウェアラブルデバイス開発(文科省科学技術学術政策研究所)─2031年
教育へのAI・ブロックチェーン導入。学校の枠を超えた学習スタイル構築と生涯スキルアップ社会が実現(文科省科学技術学術政策研究所)─2032年
海域環境と共存可能な低コストで耐久性の高い海上都市が実現(文科省科学技術学術政策研究所)─2032年
小都市のスマートシティ化(100%再生エネルギー活用)を実現するスマートグリッド制御システム実現(文科省科学技術学術政策研究所)─2033年
都市部で人を運べる空飛ぶドローンが一般化(文科省科学技術学術政策研究所)─2033年
地下空間とパイプスペースなどを利用した宅配便・郵便物の自動搬送システムの実用化(文科省科学技術学術政策研究所)─2033年
場所を限定せずにシステムが全操作をするレベル5の自動運転を実現(文科省科学技術学術政策研究所)─2034年
バイオファブリケーション(3Dプリント技術による臓器の製造)の浸透(文科省科学技術学術政策研究所)─2034年
遺伝子情報で将来の発病を調べ、投薬などで治療するオミックス医療が一般的に(世界保健機関(WHO))─2035年
処理速度が100Gbpsを上回り世界中の人々が高速モバイル通信に接続(厚生労働省)─2035年
毎年1兆個規模の大量のセンサー(脳波や匂いなど)をコネクテッドデバイスとして活用する社会到来(Trillion Sensors Summit)─2035年
医療・教育・設計・商品説明・試着などでVR/AR活用浸透、MRが会議を変える(厚生労働省)─2035年
AIが検索×ネット広告、銀行窓口業務、駅の切符取扱いを自動化(厚生労働省)─2035年
経年劣化・損傷を自己修復しビルなどの建築構造物の機能を維持する構造材料実現(文科省科学技術学術政策研究所)─2035年
物理実験のための直線型加速器「国際リニアコライダー」運用開始(国際将来加速器委員会と高エネルギー加速器研究機構(KEK)の国際リニアコライダー(ILC)計画)─2035年
皮膚感覚の脳へのフィードバック機能を備えた義手の実現(文科省科学技術学術政策研究所)─2036年
光通信より100万倍高速な量子通信技術が実用化(文科省科学技術学術政策研究所)─2036年
労働人口の約49%が機械に置き換わる(オックスフォード大学)─2037年
CO2還元による再資源化をエネルギー効率20%以上で可能とする光還元触媒及び人工光合成技術の浸透(文科省科学技術学術政策研究所)─2039
高速増殖原型炉もんじゅの廃止措置終了(日本原子力研究開発機構)─2047年
中国:
人工衛星の測位情報(中国版GPS)と5G移動通信システムによる地球規模の情報ネットワークを構築(中国政府)─2035年
2050年までに世界一のイノベーション強国を目指す(JST研究開発戦略センター(CRDS))─2050年
ベトナム:ロンタイン国際空港に年間5,200万人の旅客、140万トン以上の貨物を取り扱う能力を有する計画(ベトナム政府)─2035年
【Americas】
米国:2050年の温室効果ガス排出量実質ゼロに向けクリーンエネルギーのインフラ・技術に4年間で2兆ドル投資(米国政府)─2050年
【EMEA】
ドイツ:石炭火力発電所全面廃止(ドイツ政府)─2038年
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著者
澤 拓磨(さわ たくま)
TS&Co.グループホールディングス株式会社 代表取締役 CEO創業者
経営変革プロフェッショナル
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