アクティブ・ノンアクションを回避せよ
- 澤拓磨 TS&Co.代表取締役 兼 最高経営責任者(CEO)
- 7月19日
- 読了時間: 4分
概要
ビジネスの現場で陥りがちな症状として、中級者の中途半端な思考が招く複雑、御託、アクティブ・ノンアクションがある
初級者は思考の浅さゆえ、上級者は思考の深さゆえに、この症状に陥ることなくシンプルに考え実行し実現していく
アクティブ・ノンアクションとは、「行動しているように見えるが、実際は結果に繋がる行動ができていない状態」
アクティブ・ノンアクション回避の要諦は、①そもそも今何を目標としているかを常に意識、②結果が全てと心得る、③最後は必ず試して終わるの3つ。特にアクティブ・ノンアクションを回避するためには、全ての行動に対して、最後は必ず試して終わる意識を持つことが重要
中途半端な思考が招く複雑、御託、アクティブ・ノンアクション
ビジネスの現場で陥りがちな症状として、中級者の中途半端な思考が招く複雑、御託、アクティブ・ノンアクションがある。
著者の経験上、初級者は思考の浅さゆえ、上級者は思考の深さゆえに、この症状に陥ることなくシンプルに考え実行し実現していく。縦軸をシンプルさと実行力、横軸を思考力(左から初級者、中級者、上級者)とし特徴を描いた場合、ちょうどスマイルカーブのような曲線となる。
アクティブ・ノンアクションとは、「行動しているように見えるが、実際は結果に繋がる行動ができていない状態」のことだ。
以下のような場面が、その典型例である。
戦略(仮説)に幻想を抱き、最適解だと思われる戦略を考え抜くことに数ヶ月を掛けるが、実行されず、結果が創出されることも戦略の良し悪しが検証されることもなかった。
しかしながら、中長期の目標実現に寄与する学習期間という位置づけで処理され、その活動に使用されたコストが正当化される。
アクティブ・ノンアクションは、当然ながら、結果を出し続けるために最適な状態とは言えず、どんな企業においても避けたい症状だろう。
では、どのようにアクティブ・ノンアクションを回避すればよいだろうか。その要諦について著者の考えを紹介しよう。
アクティブ・ノンアクション回避の要諦
著者は、アクティブ・ノンアクション回避の要諦を以下の通り考えている。
1.そもそも今何を目標としているかを常に意識
簡単に聞こえるかも知れないが、目標を常に意識し、無意識にまで刷り込まれた結果、毎晩夢にも出てくるようなレベルで目標を意識し続けるのは至難の業だ。
それゆえに、アクティブ・ノンアクションは陥るべくして陥る症状と言えよう。
2.結果が全てと心得る
過程で評価される環境に中長期間身を置くと、過程に酔い過程に満足してしまう癖がつく。
著者も、かつて経営企画業務や経営・戦略コンサルタント業務を担う中でこの癖がついてしまい、一定のリハビリ期間が必要となった。
アクティブ・ノンアクションを回避するには、結果が全てと心得なければならない。決して、過程で評価される訳ではないのだ。
3.最後は必ず試して終わる
先述の典型例では、戦略の良し悪しが検証されることがなかったが、もし検証されていたのであれば、アクティブ・ノンアクションとはならない。
逆に、企業にとって非常に重要な仮説の検証に成功した評価すべき行動となる。
従って、アクティブ・ノンアクションを回避するためには、全ての行動に対して、最後は必ず試して終わる意識を持つことが重要だ。
少なくとも経営(結果を出し続ける行動、異次元の結果を出し続ける行動)においては、アクティブ・ノンアクションは、どんな企業においても避けたい症状だろう。
もし読者が、アクティブ・ノンアクションに問題意識を感じた、あるいは、既にお持ちの場合、本論考を参考に、アクティブ・ノンアクションの回避に努められては如何だろうか。
著者
澤 拓磨(さわ たくま)
TS&Co.グループホールディングス株式会社 代表取締役 CEO創業者
経営変革プロフェッショナル
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